発明の女王様2

はつめいひんをつくって、しあわせになりたいとおもっている、ちょっぴりコアな生きものです

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

このページのトップへ

ミスライムのカタコンベ~ミヒャエル・エンデの短編

カタコンベ.jpg

写真はイタリア/シチリア島パレルモのカプチーノ修道院のカタコンベ
暗い地下通路は迷路のように続き、壁の穴にはたくさんのミイラたちが様々な服を着て「眠って」います。
ミスライムのカタコンベの出だしの情景から、すぐにこの地下墓地が思い浮かびました。
たぶんここがミスライム


ミヒャエル・エンデの短編のひとつ、ミスライムのカタコンベを読みました。
これはエンデ全集13・自由の牢獄の中に収められています。

読んで驚き!
これって、マトリックスの原作かしら! っていうか、そのまんまです。
ミスライムという地下世界の住人の頭に響いている主の声
エンデは耳の中に埋め込まれているスピーカーなのか?という表現をしていますけれど、コンピューターのネットワークを連想させます。
だからすぐに現代のSFX映画にも応用できたんですね。



・・・何の悩みも苦痛も無く管理され働くのと、
自分の真実を探し求め、悩み苦しむのと、
人間(影)はどちらが幸せなのだろうか?



ミスライムのカタコンベ

ミスライムの大支配者ベヒモートは、暴徒に向かってこういいます。

「もう一度言おう。そのような世界にはおまえたちは住めない。
だからこそ、影の民はその昔、外の世界からここの地下へ逃げて来て、あの耐えられない光から逃れるための救いをわしらに求めたのだ。
おまえたちを一時たりとも囚人にしたことはない。
おまえたち自身の意志なのだ、わしらが従ったのは、おまえたちが仕えたのではない。わしらがおまえたちに仕えたのだ。
おまえたちとともに、おまえたちのために、わしらはこのミスライムのカタコンベ世界を築き上げたのだ。
おまえたちにとってできるだけ安楽にしたつもりだ。
それなのにおまえたちはすべてを壊すというのか。
おまえたちとは異なる、この男一人のために。もっとよく考えるのだ!
今ならまだ遅くない。おまえたちさえその気なら、ただちに復興に着手できる。
みんな元どおりにできるんだ。さあ決めるがよい! 

この男とともに脱出し、そこで滅びるのか。
追放して、この男を処理し、われわれの世界が受けた深い傷が再び閉じ、治癒できるようにするのか」


大支配者ベヒモートが言う、人々が顔を背けるミスライム系の裂け目からのまばゆい光は、(書かれていませんが)知性・英知・選択・決定の光なのだと思われます。



マトリックス・レボリューションでは、最後がなんとも後味が悪かったのですが、始めてここで意味が通じました。
どうやら、原作は映画マトリックスでは再現できなかったようです。っていうか、内容が高度で難しくなってしまい、誰も見なくななってしまうのでしょう。
惜しかったなー。


これとよく似たお話がやっぱりありました。
「百億の昼と千億の夜」 
萩尾望都によってコミック化されています。
生まれてから死ぬまでの間、カプセルに入れられた人間が疑問を持ち、謎を解明するために旅に出る、という内容だったと思います。
完全な管理社会と、真実の発見と、人間というものはどちらが幸せになれるのだろう?
今ある社会、今信じられている正義は、本当にそのとうりのものなのか


ミヒャエル・エンデの作品の中に流れるのは「選択」「自由意志」 対 「権力者」「神」

ぶつぶつ愚痴を言いながらも、大きなシステムの一部として安全に機能するのが幸せなのか、
それとも本当の自分を探し続けて悩み、物事を一つ一つ選択し、苦しむのが幸せなのか・・・

ミスライムのカタコンベには答えがありません
答えが無いというのが、答えです。

このページを読んで、ちょっとでも興味を持ったら、ぜひミスライムのカタコンベを読んでみてください。
面白いですヨ。

このページのトップへ

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 
むずかしー

きわめて、むずかしー問題ですな。うーん。
正解は、「真実を探る」だと思うけど。
でも、真実を探る体力を得るには、まず明日の糧を得なくては。そのためには今あるシステムに乗っからなくては。

ってな感じで。で、多くは探求の道を忘れてシステムの一部になるんでしょうねえ。

「定年後に」自分の道を、なんて思っていても、感覚はにぶってるし、半分ぼけちゃってるし。

バランスが難しいのねえ。

だいちゃんのまま | URL | 2009-01-18(Sun)22:31 [編集]

ぜひ(^_^)/

確かにマトリックスのベースっぽいですね。

マトリックスって、2作目以降、日本人からすると「なんで~?」と感じる部分が多くなりますよね。でも、背景にキリスト教があると気が付いちゃうと「次の展開はきっとこうだ!!! そのままじゃん。。。」と先が読めちゃうし。
まあ、欧米ってそういうの好きだからなぁ。。。

エンデのは面白そうですね。本屋さんで探してみよっと。

きむきむ | URL | 2009-01-18(Sun)22:40 [編集]

低所得者

エンデの作品のように口をきいてくれる神様はいいよねぇ・・

今読んでいる本には

「神は裁かないし、人生の行いに、勧めたり妨げたりしない。善もなく悪もなく表現があるのみ。限界も偶然もなく計画があるだけ。神は賞賛を求めない。

賞賛と崇拝を求めて神の振りをしている存在は随分いる。我々もまた子どもの頃守り導いてくれた親の代わりに神を求めている。そうして宗教は成り立っている。」

とまぁ、夢も希望もないようなことが書いてありました。

今日は、上刃の挽き割りマルノコを自作し、挽いた材料で座椅子を作りました。上刃だと恐怖感は無いのですが、ガイドとノコ刃の平行が出ていないと挽けないと言うことが解りました。

こんなことも、低所得者だから味わえる経験ですね。高給取りのころは、休みは・・あんまりなくて、出張ばかりだったかなぁ~。スローでいいよね・・。



ばんたろ | URL | 2009-01-19(Mon)01:07 [編集]

人それぞれの正解

自分の考えや生き方を、自分で選択するということは、
同時に、自分自信に責任がかかってくるということ・・・

自分が撒いた種は、自分で刈り取る(収穫する)
というのがありました。

選択・決定にしても、むかしは「0」だったのに、次第に選択するものが増えてきて、1ビット、4ビット、8ビット・・・現在では毎日128ビットくらい細かい選択をしている気がします。(←マトリックス的書き方でしょ)
今の世では、複雑に入り混じっていて、さらに観察が困難になっていますよね。

ちなみに「マトリックス」という言葉は、別の社会経済の本でその概念が説明されています。「階層構造を持つ官僚的な支配構造」だそうです。


>だいちゃんのままさん
おはよーございます。久しぶりに物語りを読んだら、こんな難物に当たってしまいました。

>システムに乗っかる
そう、こちらは「お金」を効率的に得るための手段です。
ぜんぜん間違ってないです。

>「定年後に」自分の道を
お金を稼ぐことと、自分の道を見つけることが、同じ時間や考え方の延長上にあると勘違いしているから、出来なかったりします。でも、身体や脳の衰えというのは、ある日突然気が付くものなのですよ。←コレわたしのこと。

ムズカシイねv-393


>きむきむさん
おはよーございます。
マトリックス、1作で完結してしまえばかなりの評価を得たのじゃないかしら・・・あとの2作は長すぎました。好きですけど。
3作目のミスターミフネの奮闘に、笑ってしまったのをよく覚えていますv-458
DVD買おうかな~


>ばんたろさん
おはよーございます。
ばんたろさんもエンデのファンですか。
ほんと、エンデの中の神様、話をしてくれるんですよね。
でも、こちらの話は聞いてくれてないようですv-410
一神教と多神教、父性神、女性神の宗教の違いはだいぶあると思います。

夢も希望も無い神さま ← これくらいが丁度よかったりしします。

会社のときの経験、自分一人の経験、ひとつひとつは無駄ではなくて、全部にちゃんとした理由と結果がある というのは、ちょっと心が安心する言い方だと思いますv-344

むーじょ | URL | 2009-01-19(Mon)07:53 [編集]

やっぱ品切れ

まあ、むーじょさんが探していてやっと届いたんだから、当たり前ですが、、、品切れでした(^_^;)

今日は電車に乗る間際だったので、本屋にある検索用の機械でちょろっと探しただけなんですが、全集13は品切れでしたが、13以外でいくつかは在庫希少になってました(て事は、置いてあるんですね)。
他のでお勧めってとかあります?
しかし、一冊、3300円弱なんですね。全集そろえたら、いくらなんだろう(^_^;)

きむきむ | URL | 2009-01-19(Mon)20:10 [編集]

本は図書館がとっても便利よん

きむきむさん、こんばんわ
お帰りなさい、お疲れ様ですv-78v-272

エンデの全集は図書館で予約したほうがいいですよー。
第13巻、しかも短編だから、気に入ったのだけ読めるしv-410

オススメは、「モモ」です。
人気があるので、文庫でも出ていると思います。
古本屋さんにもあるかもしれません。
これなら童話ですので、比較的簡単に読めます。

でもでも、内容は意外と奥深く、いろいろな人が自分の文献に引用しています。

エンデは童話にしても多少冷徹です。
ドイツ文学なんだそうですv-354

むーじょ | URL | 2009-01-19(Mon)21:29 [編集]

Amazonで調べたら

「モモ」も「自由の牢獄」も文庫本でありました。
「はてしない物語」(上・下巻)も映画とどれだけ違うかなというのも気になったので、4冊まとめてオーダしました(^_^)
そういえば、ここ最近、電車の中で、木工・Web・PC関連の本しか読んでなかったなぁ。。。(^_^;)

きむきむ | URL | 2009-01-20(Tue)12:46 [編集]

そういわれてみたら

きむきむさん、オトナ買いですね
amazon そういわれてみたら、ミヒャエル・エンデの全作品を調べたことがありませんでしたv-393
ー。
童話や小説のほかに、いろいろな論文もあるのでちょっと驚きます。
はてしない物語1,2とモモは、エンデの代表作ですので、楽しめると思います。多少理屈っぽくはあります。
あ、でも、ナルニア国物語のほうが、なんだかもっと理屈っぽいような気がしました。

自由の牢獄、これも面白い短編です。ミスライムのカタコンベに通じる、意思決定の自由、不自由。
不思議な世界に入り込むこと、請け合いの4冊ですv-410

むーじょ | URL | 2009-01-20(Tue)15:46 [編集]

届きました

頼んでいたエンデの4冊が届きました。
昔からの癖で、あとがきから読んじゃったのですが、エンデの奥様って、日本人だったのですね。それも、「はてしない物語」の訳をしたうちの一人の佐藤真理子さん。
だから、ネバーエンディングストーリーの幼ごごろの君が和服を着ていたのかな? ネバーエンディングストーリーの製作自体にも、エンデが参加していたみたいなので、ありうる話ですね。
なんか、裏がみえるとちょっと楽しいかも(^_^)

きむきむ | URL | 2009-01-22(Thu)00:38 [編集]

ミヒャエル・エンデで4冊

エンデの奥方が佐藤真理子さんだったのですね。
それでエンデのような難しい童話も、日本で人気が出たのかもしれません。
異文化同士の結婚は、難しいけれど、うまくいくと両方が生きますよね。
おさなごころの君 どうしてこのような面白い名前に翻訳されたのか、わかったような気がします。

むーじょ | URL | 2009-01-22(Thu)09:15 [編集]

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。