発明の女王様2

はつめいひんをつくって、しあわせになりたいとおもっている、ちょっぴりコアな生きものです

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DIY日本むかしばなし 「オニの嫁取り」

オニの嫁取り


鬼の嫁取り.jpg





むかしむかし ある山深い寒村がありました。

その村の裏山には、恐ろしいDIYオニが棲んでいて、秋の収穫を終えるとやって来ては村人たちの収穫物やお金やウシを取って行ってしまうのでした。

「このまんまじゃ、オラたちは生きていけないべ」
村人たちはみんなで集まり、どうしたらいいのか話し合いました。
「オニに嫁はんを与えてやりゃ、悪さしなくなるんでないべか」
「んだ、んだ。村のべっぴんなおなごを嫁はんとして捧げるだ」

「そうしたら、わしの娘を嫁にやろう。わしは村の責任者だからのう」
そう言ったのは、庄屋さんでした。
村の衆は驚き、庄屋さまを尊敬のまなざしで眺めました。

じつは庄屋さんには、策略があったのです。
山のオニは山の上のお城に棲んでいて、たいそうな良い暮らしをしていました。
そんなPowerfull & VIPな親戚ができたら、庄屋さんにしても、鬼に金棒です。

『うちの娘なら、村一番のべっぴんだ。きっとうまく嫁入りして、このわしに貢物を持ってこさせるに違いない。しめしめ・・・』
そんなことを考えていたのでした。

庄屋さんの娘は、美しい花嫁衣裳に、皆が目を見張るくらいりっぱな嫁入り道具を持参して、オニのところへ嫁に行きました。




               




庄屋のむすめは確かにべっぴんだったのですが、性格は相当なタカビーでした。
DIYオニが大きな図体を屈めて、ちっこい楊枝入れを作っているのをみて、思わず笑ってこう言ってしまったのです。

「おっほっほ。いまどき自分でつくるなんて、可笑しいわ。お金持ちなんだから、そんなもの外注すればいいじゃない。それに、楊枝入れなんて、100均で売ってるんじゃなぁい?」

オニ 「ガイチュウ・・・・ヒャッキン・・・・ソンナモノ?・・・うがぁあああああ~おおおぉ

たけり狂ったオニは怒りのあまり、庄屋のむすめをバリバリと喰ってしまいました。

DIYオニは「100均で売っている」といわれたりするのが、大嫌いだったのです。
どんなに苦労して作ろうが、外注したくはなかったのです。

 


               

 




二番目に白羽の矢がたったのは、村一番の学者の娘でした。
学者のムスメだけあって、学歴もマサチューセッツ工科大学の大学院を卒業した、帰国子女でありました。
学者のむすめは、たくさんの学術論文やら本やらメインフレームやらを荷車に積んで、鬼のところへお嫁入りしていきました。


ところがこのむすめは、知識はたくさんあったのですが、あまり家庭的ではありませんでした。
そして、ちょっと人を馬鹿にする性格でもあったのです。

ある日、オニがお城を支える柱に彫刻を彫っていたときのことでした。
大きな体を屈めて、ちっこいミニルーターを不器用そうに使う鬼の姿をみて、ポツリとこんなことを言ってしまったのです。

『おっほっほ  いまどき手でつくるなんて、可笑しいわ。CNCマシニングセンターくらい使ったらいいのに。もしかしてGコードも知らないのかしらんねぇ?』

オニの耳は、とても良いので、どんなことも聞こえてしまいます。
オニ 「CNCマシニングセンター・・・Gコード・・・Gコード・・・ うがぁあああああ~
たけり狂ったオニは怒りのあまり、学者のむすめをバリバリと喰ってしまいました。

DIYオニはGコード言語が大嫌いだったのです。





               




オニのノミ.jpg





最後に村に残されたべっぴんは、鍛冶屋のむすめでした。

むすめのおとうさんは町へ大工道具を売りにいったまま、帰ってこないまま、何年も経っていました。
むすめの父は、へっぽこなノミやカンナや包丁などを作って、学校教材用に卸していたのでした。

むすめのおじいちゃんはたいそう腕のある鍛冶だったのですが、その息子には鍛冶の才能は無く、稼いだわずかなお金も町でギャンブルやお酒で擦ってしまっていました。



鍛冶屋のむすめは、粗末な身なりをして顔もススで汚れていたのですが、おそらくこのむすめが村一番のべっぴんだったのは間違いありませんでした。

オニの嫁に行くことが決まり、花嫁になっても、荷物はほとんどありません。
そして、誰にも見送られることも無く、ひっそりと歩いてDIY鬼の嫁に参りました。

無口で真面目な鍛冶屋のむすめは、鬼の嫁になっても、オニの畑でいつもどおり作物を作り、自給自足の生活を続けていました。
DIYオニも特に不自由もないので、その冬は何事も無く過ぎました。

ところがやはり、オニはオニです。
夏が過ぎ、秋になる頃にはおなかが空き始めました。
そして、その年の秋は村でも不作で、掠め取る作物もほとんど無かったのです。

おなかの空いたオニは、鍛冶屋のむすめにこういいました。
「がおー、こう腹が減ってはかなわん。おまえを喰ってしまおう」
そう言って、むすめの肩に手を掛けようとしたときに、むすめはオニの目をみつめて静かにこういいました。

「わたしは食べられるのは恐ろしくありません。でも、どうしても諦められないことが一つあるのです。これは父が作った銘作のノミですが、今までこれをうまく研ぎ上げた人はいません。食べられる前に一度でいいからこのノミがきれいに研ぎ上がるのを見てみたいのです。DIYオニさまは、研ぎの腕も一流と聞いています。このノミが切れるところを見てからなら、わたしは喜んであなたさまに食べられましょう。」

むすめは小さな風呂敷の中から、大事そうに一本のノミを取り出し、鬼に差し出しました。
立派な銘が深く刻まれ、黒檀の柄の付いたノミは、すばらしい見栄えでした。

DIYオニは、ふふんと笑うと、大きくて洗濯板のような砥石の上で、むすめの差し出したなまくらノミをすごい勢いで研ぎ始めました。
研いでは切れ味を試し、『おかしいな・・・』と首をかしげ、また研ぎます。
研いでも研いでも切れるようにならないので、なまくらノミはどんどん短くなっていきます。
そしてノミだけでなく、鬼の手も、腕も、自分の体さえも研いでしまい、鬼はとうとう消えてなくなってしまいました。



「とうさんの作ったノミって、ほんとうにダメダメだったんだわ・・・・」

呆然として立ち尽くす娘のまえに、DIYオニの弟がドイツからの留学を終わって帰ってきました。

緊張した表情で構えるむすめをちらりと見ると、DIYオニの弟は、やはり同じように大きな声でこういいました。
「お腹が空いたぁああ!」

むすめはすかさず包みの中から父の作ったカンナを取り出して、こういいました。

「わたしは食べたれるのは恐ろしくありません。でも、どうしても諦められないことが一つあるのです。これは父が作った銘作のカンナですが 以下省略・・・」

弟DIYオニはむすめから、「特選」やら「特級品」とか書かれた金色のシールが、ぺたぺたとたくさん貼ってあるカンナを受け取りました
でも、ちらりとそれを見て、あくびをしてカンナをポイッっと背中越しに投げてしまいました。

「こりゃ、なまくらだ・・・・ボクはドイツの一流アルチザンに師事して刃物全般の勉強をしてきたんだ。だからこんなの見るだけでわかるよ」
若いDIYオニはむすめの目を見つめて言いました。


そこでむすめは気がついたのです。
目の前にいるドイツ帰りのDIYオニは小さなツノこそあるものの、さらさらの金髪に透き通った青い目、華奢な細いからだは白い肌に覆われていて、ちっともオニらしくなかったのです。

『なんという美少年・・・だわ、このオニ。 こんなオニにならわたし、食べられてもイイッ! いえ、わたしを食べて!』

むすめは感動の涙を流しながら、目を閉じました。

オニ 「おなかすいたぁ~」
むすめ 「うん うん」  (わくわく

オニ 「何か作ってよ」
むすめ 「うん うん? 

オニ 「おみやげにフランクフルトを、兄オニが食べる量ほど買ってきたんだけど、義理のにいさんが居なくなっちゃったので二人で食べようよ。ほれっ!」
と言いながら、トランクの中からたくさんの美味しいフランクフルトを取り出してむすめに渡したのでした。



               





若いオニはたいそう美しく、また鍛冶屋のむすめも日本的なぺっぴんさんでした。
二人はお互いに惹かれあうことになりました。

むすめが小さな包みの中から残ったものを取り出してみると、それは名工だったおじいさんが残した秘伝書でありました。
若いDIYオニは驚いてその秘伝書を読み、書いてあることを全部理解することができました。

そしてドイツ帰りの若いDIYオニは、ドイツのマイスターと日本の刀工が融合した金属加工技術で、すばらしく切れ味のよい刃物を編み出しました。
オニの作る刃物は、鉄でさえも斬ってしまうというくらい、それは凄い刃物でした。

登録商標「鬼包丁」と名をつけて大当たりし、ふたりはびる・げいつも真っ青なくらいのVIPになって、ずーっと幸せに暮らしましたとさ。


 

その後、ふたりの間には、むすめが生まれました。

バイリンガルで美しいむすめは幼い頃から映画女優として認められ、世界的に有名な、魔界をテーマにした映画の副主人公で有名になったとさ。



風の噂によると、彼女のなまえは、「ハーマイオニ」 というそうな・・・・・

ハァ  とんとん  からり♪

 

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コメント


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おもしろい!

一気に読んでしまった。
昔話は、仕事の関係で山のように読みましたが、こういうふうに現実的なのは、かえって子供のためになると思うなぁ・・。

くまのプーさんが言いました、「ぼくは木になりたい!」なんて言うわけないもんねぇ。

昔読んだ本に魅せられて、偉大な学者や、事業家になった人はたくさんいます。
この物語を読んで、立派な金属学者がうまれますように・・・。

ばんたろ | URL | 2009-02-02(Mon)14:59 [編集]

ありがとうございますだ

v-410 あしたはマメ撒き、節分の日なので、オニの出るお噺を作ってみました。
どこかにありそうで、無い物語りです。

学校教材の大工道具のパロディなのですが、ホント、研いでも切れない有名品ですね。

この昔話で啓発されちゃう良い子はいないと思いますけど、現代的な物語りでありますv-301

くまのプーさんは読んだことがないですけど、タオのプーさんなら読みました(笑)
オリジナルでは「木になりたい!」だったんですネ
初めて理解しました。v-299

むーじょ | URL | 2009-02-02(Mon)16:38 [編集]

やっぱりすごい

すごすぎです、むーじょさん(^_^)
なんで、こんなに色々な才能をお持ちなんでしょう。。。

しかし、なんか、刃物を研ぎすぎて、消えてしまう鬼って、私みたい。。。(^_^;)

きむきむ | URL | 2009-02-02(Mon)21:16 [編集]

指紋が無くなったのは、わたしです

こんばんわ、きむきむさん。
お褒めのお言葉、ありがとうv-346

いくら研いでも、うまく切れるようにならなかった昔を思い出して書いてみました。
研ぐのもヘタだから、手を切ってしまったり、指紋が無くなったりで大変でした。
だから、刃物研ぐのキライ!v-409

ガンダムカンナは届きましたか~?v-233

むーじょ | URL | 2009-02-02(Mon)21:25 [編集]

迷作日本昔話

オニが自分まで研いで消えてしまったあたりで止めておいたら、多分ちょっと良く出来たお研ぎ刃無し・・・もとい、おとぎ話だったんだろうけど。

そこで終わらせずにこんなお莫迦話(←誉め言葉だからね)にしちゃうあたりがむーじょ様のむーじょ様たる由縁なんだろうなぁ(爆)。

さな | URL | 2009-02-02(Mon)21:50 [編集]

ありがとね (ぷんぷん)

(笑)おとぎ刃無し~
山田クン、座布団2枚やっちくりぃ~

美しい乙女が出ている以上、やっぱりなんか、こう、意味も無く美少年が出てこないと寂しいでしょ? でしょ?v-254

v-345v-345v-345やっぱり最後は、ぱっぴーえんど!よん。ハート型のトランジットが小さくなって消えてゆく、例のアレよん、ぜったい!v-345v-345v-345v-393

むーじょ | URL | 2009-02-02(Mon)22:06 [編集]

届いたよぉ~~!!!

Block Plane届いたじょぉ~~v-238
週末は、刃砥ぎだじょぉ~~v-14

週末の私のBlog更新がなかったら、私も研ぎすぎでいなくなったと思っていただければと思いますv-39

きむきむ | URL | 2009-02-02(Mon)22:14 [編集]

面白すぎです☆

こんな時間に声出しながら笑ってしまいました v-408
とっても楽しいおはなしでした。
「いえ、わたしを食べて!」あたりから、
ちょっとドキドキしてしまった己がハズカシイです v-435

ぴん栗 | URL | 2009-02-03(Tue)01:51 [編集]

おお!ガンダムかんな!

早かったですねー届くの。
きょうあたりは、会社で見せびらかしかしら。
たぶん見たことない人が100% でしょうねー。
終末は刃研ぎ がんばってくださいv-410

健康のため、研ぎすぎにご注意くださいv-410

むーじょ | URL | 2009-02-03(Tue)07:21 [編集]

でしょでしょでしょ?

おはよーございますぴん栗さん
いい加減なストーリーのむーじょですv-295
ぱっぴーえんどが大好きなわたしがつくると、なぜかこういう結末になってしまいます。v-298
ぱっぴーえんどの物語りを書いているときは、幸せなんです。v-352v-521

むーじょ | URL | 2009-02-03(Tue)07:28 [編集]

おもしろかったです

食べられてもイイッ!のあたりから「そっちへ行っちゃうの~っ」と思っていたら、無事に戻ってきましたね。

現代と昔話を行ったり来たりで読み応えがありました。

「100均で売ってるんじゃなぁい?」はDIYerには禁句ですね!おもわず、「量産品と一緒にするんじゃねぇ」ってなります。でも100均の方が出来が良いんですよね...。

omiken | URL | 2009-02-03(Tue)23:38 [編集]

節分

今日は節分でした。
豆まいて、年の数だけ食べようと思ったら、全然足りなかった。

来年はもっと沢山まかなくちゃ。

だいちゃんのまま | URL | 2009-02-04(Wed)00:34 [編集]

よいこのどうわ

>0mikenさん
コメントありがとうございます。

v-410 よいこなオトナの童話なので、一応、込み入った話は無しなのれすv-298v-258
100均やホームセンターは、「こんなものまで、こんな価格であるの!?」っていった感じで、いつも驚いてしまいます。でも楽しいので買っちゃう。木の器なんて、ちゃんと木工旋盤使ってあったりして、DIYerが泣きそうなモノ、ありますよねー。


>だいちゃんのままさん
コメントありがとうございます。
豆まきしましたか~。
だいちゃんは、おまめが2つ。若いなーv-205
だいちゃん、オニって分かるのかしら。

福が来ますようにv-218

むーじょ | URL | 2009-02-04(Wed)07:17 [編集]

今、ふと思った

鬼さんの絵の後ろにTritonが写っているって、DIYオニだからってのと、黄色に黒でオニのパンツ色だから?
あ~、いまいちなコメントだったかぁ。。。(^_^;)

きむきむ | URL | 2009-02-04(Wed)21:10 [編集]

トリトンの黄

トリトン製品の黄色って、考えてみると、面白いです。
大きな黄色い体に黒の文字、確かに目立つというかv-354
黒と黄って、工事中のシンボルなのかもしれませんねー。

オニのパンツの黒と黄って、トラの毛皮だと思うけど、いったいいつ頃からトラの毛皮になったのかしらねぇ?

考えると、眠れなくなりますe-251

むーじょ | URL | 2009-02-05(Thu)06:55 [編集]

意外と昔から

虎のパンツですが、十二支とか昔の方角とかから来ているみたいで、平安時代からなんだそうですv-405
諸説あるみたいですが、下記が一番メジャーな説みたいですね。

丑の方と寅の方の間の方角(艮:うしとら)を鬼門と呼ぶことによるもので、牛の角と体、虎の牙と爪を持ち、虎の皮を身に付けているとされた。

きむきむ | URL | 2009-02-05(Thu)10:55 [編集]

すごい!

オニのトラパンツ、平安時代からだったんですか!!!

これ、超驚きです!
わたしは昭和の童話イラストレーターが考え出したくらいに考えてました。
丑寅の方角から来るからツノとトラ皮というのも、凄いです。
こんなにいろいろな意味があったなんて、うーむv-394

たぶん誰も知らないよね。

むーじょ | URL | 2009-02-05(Thu)19:31 [編集]

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